6/10の出来事。

休日でございました。
昼からI丹で同期と物色会。
その前に、「田ぶし 和屋(なごみや)」で醤ラーメンを食べる。
「田ぶし」とは、高円寺に本店があるお店で、魚系スープがすこぶる美味しいとの評判。
それが新宿アルタ裏に出来たということで、行ってまいりました。
すっごい魚のカホリ。麺は細めで食べやすく、色々な魚介類の味を楽しみつつ、素直に食べられるラーメンでした。
裂いてあるメンマもなかなか。
高円寺本店と比べると味が若干違うとのことなので、高円寺本店にも食べに行ってみたい。


色々物色した結果、セルジオ・ロッシのブーツを取り寄せてもらうことにしました。


その後は、与野本町埼京線でピャッと移動しまして、彩のくにさいたま芸術劇場へ。
今回の題目は、「近代能楽集、卒塔婆小町/弱法師」

三島由紀夫の戯曲であるこの作品は、2000年に同劇場で演じられています。
そしてこの度、再演+NY公演という流れで進行するそうです。
簡潔に感想を述べると、初めて演出が素晴らしいと思った作品でした。
卒塔場小町は、椿の花がポト、ポトと舞台に落ち続ける演出。
話の進行にともない、段々椿が落ちるスピードが速くなり、破滅へ向かう感情を湧きたてます。
99歳の老婆の80年前の話を聞くにつれて、老婆が小町と呼ばれていた当時のように見えてきてしまう不思議な話。
老婆が小町と呼ばれていた当時、「小町は美しい」と口にした男達は皆何故か息絶えるということがあったのだが、老婆の小町時代の話を聞くうちに若い詩人は、小町の恋人役になってしまい、「あなたは美しい」と口にして息絶える。
周囲にいるカップル(男役、女役)含め、全ての出演者が男性で構成されているのも特徴。


弱法師は、藤原竜也夏木マリを中心に、戦争で盲目となった孤児を巡る話。
爆撃で光を失った青年にとって、事実とは自分の眼を焼いた戦争の光景のみ。
目に見えるもの、言葉、手に触れるものに意味はない。
実の両親と、戦争孤児になってからの育ての親は、家庭裁判所で主人公の親権を争うが、
主人公からすれば両親が誰であろうと関係は無かった。
ただ窓から差し込んでくる夕暮れの光を、演技1つで爆撃を想像させる、きつーい演技でした。
照明が真っ赤なものだから、藤原竜也の白目が赤くなって恐ろしいものを感じました。
最後のセリフの後、背景の幕が落ちて奇妙な形のライトが見えたとき、芝居を観ていて初めて背筋が凍りついたというか、鳥肌がたちました。
親として認めてもらいたいがために機嫌をとる二組の親、それをもてあそぶ子。
家族の縮図が見えた気がします。
でも、素晴らしい芝居だったことは間違いありません。
藤原竜也の出演作としてはイチ押しです。